南武鉄道・・・<南武線>メニュー
南武鉄道は東海道本線川崎から中央本線立川に至る約35kmの路線といくつかの支線から成りますが、支線のうち旅客線は尻手〜浜川崎間のみで、それ以外は貨物線です。多摩川の砂利や奥多摩で採掘された石灰石の輸送が目的の一つで、1940年に五日市鉄道を合併しています。1944年4月に国有化され、南武線となりました。
南武線浜川崎支線(1980年)
撮影:尻手−八丁畷(1980.11.3)
南武鉄道は開業から買収直前までの間に相当数の新車を購入しており、関東私鉄タイプのまとまったスタイルの車両も多く見られます。
写真は1980年まで17m国電が残されていた浜川崎支線。東海道線を高架でまたいで臨海工場地帯に向かう姿は、私鉄時代の面影を残していました。
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南武鉄道
車両一覧
表5-20 南武鉄道買収電車概略
| 製造時 形式 |
製造初年 | 買収時 形式 |
改造・改番 | 1953年 形式 |
改造・改番 |
|---|---|---|---|---|---|
| モハ100 | 1926年 | モハ100 | → | クハ6000 | − |
| モハ150 | 1941年 | モハ150 | → | モハ2000 | クモハ2000 (クエ9420) |
| クハ210 | 1939年 | クハ210 | − | − | − |
| クハ250 | 1942年 | クハ250 | → | クハ6010 | − |
| モハ500 | 1937年 | モハ500 | → | モハ2020 クハ6020 |
(クモハ2020) |
| サハ200 | 1941年 | サハ200 | − | − | − |
| ハ210 | (1941年) | ハ210 | ナハ2320 | − | (客車) |
| ハ300 | (1942年) | ハ300 | ナハ2320 | ナル2750 | (客車) |
| 備考 | 製造所年の( )は譲受車の竣工年 | ||||
遺構
西立川への貨物線跡
青梅短絡線
撮影:立川市(2026.5.10)
南武鉄道が青梅鉄道からの直通運転により石灰石輸送の利便を図るため、立川〜西立川間を中央線をまたいで直結する線路が作られました。
現在では、中央線の東京発青梅行の電車が、立川を発車した後、この線路を通って西立川駅に向かいます。青梅線の一部ということで、青梅短絡線という名前が付いたのだと思いますが、発祥は青梅鉄道ではなく南武鉄道です。
下の複線は中央本線です。
旧南武鉄道貨物線跡
さいわい緑道
撮影:川崎市(2026.5.10)
撮影:川崎市(2026.5.10)
矢向駅から多摩川(川崎河岸駅)まで伸びていた未電化の貨物線の跡地が、川崎市幸区により「さいわい緑道」という遊歩道として整備されています。
その一角に、「旧南武鉄道貨物線軌道跡」という石碑が建てられていました。
現在の南武鉄道本社
西新宿三井ビルディング
撮影:新宿区(2024.11.24)
南武鉄道(株)は、鉄道が国鉄に買収された後も不動産管理会社として経営を継続し、1971年には南武不動産(株)と改称、1979年にアサノ不動産(株)と改称、2005年には太平洋不動産(株)と改称して現在に至ります。
本社は新宿の西新宿三井ビルディングの15階にあります。
五日市鉄道の遺構
五日市鉄道大神駅跡
撮影:昭島市(2026.4.29)
五日市鉄道の立川−拝島間は青梅鉄道とは別のルートで建設されました。その経路上にあった大神駅跡が、昭島市によりポケットパークとして2000年に整備されています。
ホーム、駅名票、レール、台車(TR41)、信号、踏切などが置かれています。展示物自体は五日市鉄道の遺構ではなく、青梅線の昭島駅、奥多摩駅からJR東日本と奥多摩工業より寄贈されたと書かれています。
五日市鉄道武蔵田中駅跡
撮影:昭島市(2026.4.29)
この通りは「五鉄通り」と名付けられており、隣りの武蔵田中駅跡地にも、転てつ器と車止めが置かれています。
右側に延びる通りが五日市鉄道跡の「五鉄通り」です。
生い立ち
- 1921(大正10)年 南武鉄道設立
- 1922(大正11)年 五日市鉄道設立
- 1925(大正14)年 五日市鉄道の拝島−武蔵五日市間開業(蒸気動力)
続いて武蔵五日市−武蔵岩井間開業 - 1927(昭和2)年 川崎−登戸間開業、続いて登戸−大丸(後の南多摩)間開業
矢向−川崎河岸間(蒸気動力の貨物線)開業 - 1928(昭和3)年 大丸−屋敷分(後の分倍河原)間開業
- 1929(昭和4)年 屋敷分−立川間開業により全線開業
向河原−新鶴見操車場間開業(貨物線) - 1930(昭和5)年 尻手−浜川崎間開業
五日市鉄道の立川−拝島間開業 - 1931(昭和6)年 立川−西立川間開業(武蔵上ノ原までは五日市鉄道と共用)
- 1940(昭和15)年 五日市鉄道を合併
- 1944(昭和19)年 全線国有化
主な参考文献
- C5318 中川浩一(1953)「南武線 −買収国電を探る(6)」(鉄道ピクトリアル No.25)
- P9212-1 中川浩一(1992)「南武、青梅、五日市線の歴史的過程」(鉄道ピクトリアル No.568)
- B0201 佐竹保雄ほか(2002)「私鉄買収国電」ネコ・パブリッシング