富士山麓電気鉄道(戦前の譲渡車)
富士山麓電気鉄道では、1940〜42(昭和15〜17)年に国鉄から木造車5両(うち3両が客車、2両が電車)を譲受しています。これらは戦後に鋼体化されますが、台車はTR10型のままで、国鉄の面影を残していました。
鋼体化改造後
富士急行 クハ3660形(3661号)
画像:所蔵写真(河口湖駅 1975.6.1)
ハニ253・254号の2両は元木造国電サハ19形で、車端に小窓1個分の荷物室を設けて使用されました。
1952年に汽車会社で鋼体化されクハニ800形となり、1961年の更新で荷物室撤去の上クロスシート化され3600系に改番されました。
富士急行 クハ3660形(3662号)
撮影:河口湖駅(1981.8.23)
元ハニ254号のクハ3662号で、用途廃止となって河口湖駅構内に置かれている姿です。
鋼体化改造は、電動車の日車東京製に対し、制御車は汽車会社製で、屋根と雨樋、妻面曲率などに違いがありましたが、1961年の3600系への編入改造で違いが目立たなくなりました。
(参考)元国鉄客車
富士急行 ハ200形(200号)
画像:益井茂夫(富士吉田 1960.8.18)(文献P6101-1)
元日本鉄道所属の客車を譲受した車両で、最後まで木造のまま残りました。
同時期に入線したハニ250形が電動車に牽引される付随車であるのに対し、こちらは中間車として使用されるため、形式が異なるとのこと。
鋼体化改造後
富士急行 クハニ800形(802号)
画像:久保敏(大月駅 1960.8.25)(文献P6101-1)
ハニ251を1950年に日車支店で鋼体化した車両。窓位置が高いため鈍重な印象。
富士急行 クハニ800形(803号)
画像:所蔵写真(富士吉田工場 1961.7.9)
1952年に汽車会社で鋼体化されたもので、元木造国電のクハニ804・805と同じ基本スタイル。
富士急行 クハ3660形(3663号)
撮影:河口湖駅(1977.10.2)
1964年の車体更新後は、アルミサッシ化され、前面に貫通扉が付きました。先に更新されたクハ3661・3662と異なり、ロングシートのままで、荷物室の扉を撤去しただけなので窓配置が不規則。
表6-54-1 富士山麓電気鉄道(戦前の譲渡車)詳細
主な参考文献
- P6101-1 益井茂夫(1961)「富士急行」(鉄道ピクトリアルNo.114)
- C6841 井上幹治ほか(1968)「富士急行」(鉄道ピクトリアルNo.207〜209)