阪神急行電鉄

1926(大正15)年に西宝線(→今津線)の今津延伸に合わせて元木造国電の6両が目黒蒲田電鉄を経て譲受されています。実車は国鉄から直接阪急に入ったそうです。(文献P6312-1)
広軌(1,435mm)に改造し、片方にパンタグラフ、片方にポールという形態で、90形として今津線に投入されました。その後も支線用として長く活躍しました。

ホデ6100形タイプ 90〜92号(→93〜95号)

車体更新前
阪急90形(90号)
阪急電車

撮影:根本茂様(今津駅 1936.10.18)

前半3両(90〜92号)は国鉄初のボギー車であるホデ6100形由来の車両で、国鉄時代の1920(大正9)年に平妻、3扉に改造されていました。
前面に方向幕が増設された以外は、原形をとどめた姿で使用されています。

車体更新後
阪急90形(95号)
阪急電車

画像:所蔵写真(園田駅 1966.3.6)

阪急電車

画像:所蔵写真(園田駅 1966.3.6)

1944年に番号はこれまでと逆順に改番されました。この車両は90号→95号となった車両です。新94・95号は1944年の改番後も電動車で残り、伊丹線に転属しました。
1952年にナニワ工機で最初に鋼体化され、平妻、二重屋根など原形スタイルを維持しています。

阪急90形(93号)
阪急電車

画像:所蔵写真(稲野駅 1964頃)

92号→93号となった車両で、1944年の改番の際に他の4両とともに制御車化され、600形と組んで使用されましたが、1946年に電動車に復活しています。(文献F6608-2)
1952年の鋼体化では最終グループで、丸屋根の阪急風スタイルに変わり、妻面にも丸みが付きました。
1965年に90形は全車が休車になりますが、93号のみは一時期西宮工場の入換車として使用されたそうです。(文献F6608-2)

ナデ6110形タイプ 93〜95号(→90〜92号)

車体更新前
阪急90形(95号)
阪急電車

画像:所蔵写真

後半3両(93〜95号)は改良型であるナデ6110形由来の車両で、やはり国鉄時代の1920年に出入台などの改造を受けていますが、前面は緩い丸妻だったためそのままのスタイルです。現在鉄道博物館で保存されているナデ6141号と同型です。
前面に方向幕が設置された以外は原形を保っています。

車体更新後
阪急90形(90号)
阪急電車

画像:所蔵写真(園田駅 1966.3.6)

阪急電車

画像:所蔵写真(園田駅 1966.3.6)

この車両は95号→90号です。1944年の改番の際に制御車化されますが、他の4両ともに1946年に電動車に復帰しました。
1952年に鋼体化されましたが、初期タイプのため、新95号と同様に二重屋根で窓配置も改造前と変わりません。前面は緩い丸妻のままです。雨樋が曲線化されたため、改造前よりスマートです。

阪急90形(91号)
91

画像:所蔵写真(西宮工場 1961.7.23)

阪急電車

画像:所蔵写真(園田駅 1966.3.6)

阪急90形(91号)車内
91

画像:所蔵写真(西宮工場 1961.7.23)

こちらも改番により、94号→91号となった車両で、上記の新90号と同じ原形で、車体更新後もほぼ同じスタイルです。
90+91号の2両編成となり、連結面に貫通路も設置されました。伊丹線を主力に使用されました。(文献F6608-2)

阪急90形(92号)
阪急電車

画像:所蔵写真(園田駅 1966.3.6)

阪急電車

画像:所蔵写真(園田駅 1966.3.6)

93号→92号となった車両で、1952年の鋼体化の際、最終グループだったため丸屋根で阪急風のスタイルに変わっています。
同じスタイルの新93号と編成を組んで、伊丹線で使用されました。(文献F6608-2)

表6-20-1 阪神急行電鉄(譲渡車)詳細
表6-20-1
主な参考文献
  • P6312-1 阪急鉄道同好会(1963)「京阪神急行電鉄(2)」(鉄道ピクトリアルNo.152)
  • F6608-2 宮崎光雄(1966)「阪急の90形を訪ねて」(鉄道ファンNo.62)
  • P7003-1 野村董(1970)「京阪神急行電鉄(1)」(鉄道ピクトリアルNo.235)
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“ゲタ電”の頃