モハ1900・1910形・クハ5910・5920形

伊那電気鉄道が地方鉄道への変更による1200V昇圧に伴い新造した「木造省電タイプ」の木造車は、出力の違いなどにより買収時にはデハ100形とデハ200形に分かれており、1927年の自社工場製はデハ110形を名乗っていました。
これらの電動車は、付随車を牽引する運行方法で、1500Vの三信鉄道以南には直通できませんでした。

デハ100形
(買収前)伊那電気鉄道 3+1(後のデハ103+サロハユニフ100)
デハ100形

画像:絵葉書を拡大(大田切−宮田 1924)

1923年の昇圧に際して新造された木造車の2両編成。台枠に3の文字が見えるので3号車(後のデハ103号)、2両目は1の文字が見えるので、後のサロハユニフ100号です。(文献P9602-2)
伊那電気鉄道では、電動車が付随車を牽引するという運転方法を採っていました。

(買収前)伊那電気鉄道 デハ100形
デハ100形

画像:絵葉書を拡大(松島駅 1925.12)

12月の工女輸送の時に松島駅の助役が撮影したという私製絵葉書の拡大写真。
おもて面の記載から、デハ100形+サロハユニフ100形+サハフ300形+サロハユニフ100形+デハという5両編成です。

デハ200形
デハ200形(200号)
デハ200形

画像:所蔵写真(辰野駅 1949.12.30)

同じく初期の木造車。当初は1桁形式で、デハ100形の続き番号4〜8号が与えられていました。
出力がデハ100形より小さかったため、1953年の称号改正までには廃車されています。

ナヤ16870形(16872号)
ナヤ16872

画像:所蔵写真(松任工場 1953)

電装解除され、事業用客車に改造された後です。
救援車として使用されていたようです。

デハ110形
(譲渡後)北陸鉄道 モハ850形(852号)
北陸鉄道

撮影:上原庸行様(七ッ尾駅 1960.11.12)

1927年の増備車デハ110形も「木造省電タイプ」の木造車で、自社松島工場製です。110号は翌1928年に三河鉄道に譲渡され、後に名鉄モ1101号となっています。
これの補充目的か1928年にモハ112号を増備、後に110号に改番されて番号を埋めています。写真は、この増備車が北陸鉄道に譲渡された後の姿です。

表5-19-1 モハ1900・1910形、クハ5910・5920形詳細
伊那電気鉄道

主な参考文献
  • P8305-1 白井良和(1983)「飯田線を走った車両」(鉄道ピクトリアル No.416)
  • P9602-2 白土貞夫(1996)「伊那電気鉄道600V時代の車両を探る」(鉄道ピクトリアル No.617)
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“ゲタ電”の頃