狭小トンネルの路線
低屋根車が必要となる狭小トンネルのある路線は、中央本線と篠ノ井線、及び身延線です。これらの路線は、主に山梨県、長野県の山岳区間を走行し、トンネルも多く存在します。
狭小トンネルのある区間
狭小トンネルのエリア
低屋根車両が必要なエリアの路線図です。色のついている路線が制限のある区間です。
中央東線の高尾以西、中央西線の南木曽以北、身延線の西富士宮以北、篠ノ井線の松本以北が基本です。
大糸線と飯田線が直通運転する区間は、トンネルがないため、通常車両での走行が可能です。身延線の西富士宮以南も同様にトンネルがなく、団体列車(創臨)の乗り入れがあります。
なお、上記の色つき区間の中にも、トンネルのない区間や断面の大きいトンネルの区間がありますが、列車運行上区別の必要がないため省略しています。
狭小トンネルが生まれた理由
撮影:高尾−相模湖(1983.9.25)
中央線の開業時は明治時代の蒸気動力の時代であり、架線はありませんでした。また建設費を抑えるためにも必要最低限の大きさでの建設が妥当でした。
一方、これら山間区間の電化が進められたのは昭和に入ってからです。架線を張るために、道床を掘り下げてトンネル面積の拡大工事を行ったものの、狭小トンネルの数が多い中央線では、対策にも限界があったようです。
結果的に車両をトンネルに合わせる方法が採られたのです。
表7-3-1 開業と電化時期(中央東線)
| 区間 | 開業 | 電化 |
|---|---|---|
| 浅川(高尾)−甲府 | 1901〜03(明治34〜36) | 1931(昭和6) |
| 甲府−上諏訪 | 1903〜05(明治36〜38) | 1964(昭和39) |
| 辰野−塩尻 | 1906(明治39) | 1965(昭和40) |
表7-3-2 開業と電化時期(中央西線)
| 区間 | 開業 | 電化 |
|---|---|---|
| 塩尻−宮ノ越 | 1909〜10(明治42〜43) | 1973(昭和48) |
| 三留野(南木曽)−木曽福島 | ||
| 木曽福島−宮ノ越 | 1911(明治44) |
表7-3-3 開業と電化時期(篠ノ井線)
| 区間 | 開業 | 電化 |
|---|---|---|
| 篠ノ井−西条 | 1930(明治33) | 1973(昭和48) |
| 西条−松本 | 1932(明治45) |
表7-3-4 開業と電化時期(身延線)
| 区間 | 開業 | 電化 |
|---|---|---|
| 大宮(富士宮)−身延 | 1915(大正4) | 1927(昭和2) |
| 身延−市川大門 | 1927(昭和2) | |
| 市川大門−甲府 | 1928(昭和3) | |
主な参考文献
- 中川浩一(1986)「中央線開業の歴史過程」(鉄道ピクトリアルNo.467)
- P9409-1 中川浩一(1994)「信州の鉄道 路線網の系譜」(鉄道ピクトリアルNo.595)
- P9909-1 巴川享則(1999)「中央線低屋根電車のプロフィール」(鉄道ピクトリアルNo.674)