混色編成(荷電編)

クモユニ74やクモニ83などの郵便・荷物電車は、新性能電車への併結運転を前提にしながらも、旧性能電車を改造して誕生しました。基本的に併結相手の近郊形電車の塗色に合わせ、湘南色かスカ色に塗られています。これらが運用上、異なる塗色の電車と併結されるケースもあり、混色編成が生まれます。
ここでのイラストは、併結される荷物電車を左側に置くよう統一しています。そのため、車両の下り側(偶数車側)に荷物電車を併結する場合、左側が下り向き車両となります。(注1)

旧性能荷電+旧性能電車

横須賀線
ぶどう色+スカ色
横須賀線

クモニ13+70系(1959)<左が下り向き>   参考:文献P6609(P26)

1959年から横須賀線の70系にクモニ13を併結した運行が始まりました。クモニ13はぶどう色のままで、スカ色には塗り替えられませんでした。
113系による新性能化後の荷物電車は、スカ色のクモニ83に代わりますが、併結運転は中止され、荷物電車は単独運行になりました。

両毛線
湘南色+スカ色
両毛線

クモユニ74+70系<左が下り向き>

両毛線では、70系の高崎側にクモユニ74を併結する列車がありました。1975年にはクモユニ82(050番代)も加わります。これらは新前橋電車区の配置で、湘南色の115系との併結を前提とした湘南色なので、両毛線では混色となります。
なお、これらのクモユニは東北本線と高崎線で運用され、両毛線内で向きが逆になるケースもあるため、どちら向きでも使える両渡り構造となっています。併結側の70系クハもそれに対応しています。

上越線
湘南色+新潟色
上越線

クモニ83+70系<左が下り向き>

長岡運転所に配置されたクモニ83も、新性能電車に合わせた湘南色で、新潟色の70系と併結すると混色編成になります。

篠ノ井線
スカ色+湘南色
篠ノ井線

クモユニ82+80系(1977.7)   参考:文献F7711(P33)

1973年に電化された篠ノ井線の80系に、中央東線用に1975年に改造されたクモユニ82が併結された編成です。クモユニ82は通常はスカ色の115系に併結するためスカ色です。
参考にした写真は、長野発甲府行の列車です。私も中央東線で同種の編成を見たことがありますが、その時は湘南色のクモニ83(大垣電車区所属)を併結していました。その後、旅客車が115系1000番代(湘南色)に置き換えられた後、スカ色のクモニ83(三鷹電車区所属)を併結した混色編成に変更になりました。

赤穂線
湘南色+ぶどう色
赤穂線

クモユニ81+戦前型(1974.6)<左が下り向き>   参考:文献F7707(P55)

80系クモユニ81が赤穂線の戦前型と併結する郵便荷物電車として使用されました。カラーは併結相手に合されることなく、湘南色のままでした。(注2)
なお、クモユニ81の一族は、大糸線、飯田線に行った車両も併結相手は戦前型となり、それらは併結相手に合わせた塗色に塗り替えられています。

呉線
湘南色+ウグイス色
呉線

クモユニ74+72系(1973.10)<左が下り向き>

呉線では、ウグイス色の72系に湘南色のクモユニ74を併結運転していました。クモユニ74は山陽本線の80系とも併結運転するため、湘南色で使用されていました。

荷物列車
(年末荷電)スカ色+ぶどう色+湘南色
年末荷電

クモニ83811+クモハ73385+サハ78335+クモユニ74201(1973.12) 参考:文献P7712-2

年末に需要が急増する小荷物輸送を効率化するため、太平洋側と日本海側とを東京の貨物駅を介さずに直接輸送する「年末荷電」が1971年から運転されました。上越線の豪雪地帯を運行するため、耐寒耐雪構造のクモニ83を主体に各電車区から拠出し、それで不足する分を廃車予定または改造予定の72系を組み込むという3〜5両編成で運転されました。
三鷹電車区の中央東線用クモニ83が組み込まれるとスカ色が含まれることになり、ぶどう色の72系とともに混色編成となります。

スカ色+湘南色
荷電

クモニ83026+クモニ83005(1986)

中央東線の荷物輸送が1985年に廃止となり、スカ色のクモニ83が大阪の宮原電車区に転属しました。東海道本線でクモニ83×2両編成で使用されるため、生え抜きの湘南色との混色編成が見られました。
中央東線のクモニ83は上越線にも転属し、同様に混色編成が見られました。

旧性能荷電+新性能電車

中央東線
スカ色+湘南色
中央東線

クモニ83+165系

中央東線の荷物電車は、普通列車の115系と併結するためスカ色に塗られていますが、夜行の急行「アルプス」のうちの1本が、新宿寄り最後部にクモニ83を併結しており、深夜ではありますが混色編成が見られました。
通常の急行「アルプス」は12両編成ですが、この併結編成は新宿から8両編成で発車するので、時刻表の編成表を見て併結列車だと判断できました。

スカ色+オレンジバーミリオン
中央東線

クモニ83+101系(1974)

中央東線では、休日にはスカ色の115系が臨時急行に登用されるため、新宿−甲府間の定期列車に101系(低屋根車)が駆り出されることがありました。荷物電車はいつもと同じクモニ83なので、ここに混色編成が登場します。
なお、日によっては東北本線用の湘南色115系(低屋根車)が使用されることがあり、いずれにしても混色編成となりました。

総武本線・房総各線
スカ色+カナリア色
内房線

クモハユ74+101系(1972.8)<左が下り向き>   参考:文献P0905(P5)

1969年に房総西線千倉電化に際し、モハ72を改造したクモハユ74が登場しました。スカ色の113系との併結を考慮した新旧切り替え装置、新性能電車用貫通幌を装備します。しかし塗り分け線は113系とは合わない、湘南色位置となっています。
国電区間用のカナリア色101系が夏期などに千葉以東に乗り入れる際に、併結運用が見られました。

湘南色+スカ色
総武本線

クモユニ74+113系<左が下り向き>

東海道線筋などから総武本線(幕張電車区)に転属してきたクモユニ74は、湘南色のまま運用に入った車両もありました。千葉以東でスカ色の113系と併結するため、混色編成となりました。
同様の混色編成では、東海道本線に転属したスカ色の113系がクモユニ74と併結する場面もありました。いずれも転属過程でのイレギュラーな出来事です。

大糸線
(霜取り電車)ぶどう色+湘南色
大糸線

クモヤ90803+165系(1979)<左が下り向き>

大糸線の松本発一番電車は、架線についた霜を切り落とすため、先頭に霜取り用パンタグラフのついた電車を連結します。一番電車が165系の急行電車になったことから、松本運転所の職用車クモヤ90に霜取り用パンタグラフを増設し、その役目を与えました。さらに篠ノ井線などの対策として低屋根化改造を受けたため、前後のパンタグラフ部分が低屋根という特殊な外観となりました。

スカ色+湘南色
大糸線

クモユニ82+115系(1981)

大糸線の旧型国電は1981年に115系1000番代の新製車に置き換えられました。既に篠ノ井線など信州広域で使用する松本運転所の115系1000番代が湘南色だったため、それと同じ色になりました。
旧型国電時代はスカイブルーのクモユニ81が併結されていた郵便荷物車は、松本運転所のスカ色のクモユニ82に置き換えられました。

東海道線・山陽線(京阪神緩行線)
湘南色+スカイブルー
京阪神緩行線

クモニ83+103系<左が下り向き>

旧性能電車の時代には、クモニ13を併結していましたが、103系化に当たっては、湘南色のクモニ83を併結して運転されました。

伯備線
ぶどう色+湘南色
伯備線

クモヤ90103+115系(1997.1.) 参考:文献P0005(P6)

出雲運転区のクモヤ90が冬期の霜取り電車として115系の先頭に立ちます。

新性能荷電+旧性能電車

上越線
湘南色+新潟色
上越線

クモユ141+70系(1977.3)<左が下り向き>  参考:文献P1705 (P6)

郵便専用車は郵政省所有だったため、旧形車の改造ではなく新造車で、冷房装置もついていました。そのため、郵便車が新性能電車で旅客車が旧性能電車というパターンが、上越線で見られました。

(注1)
郵便・荷物電車は、ターミナル駅での荷物扱いの便を図るため、多くの場合、東海道線基準で下り側に併結されることが多い。つまり、東海道・山陽線では下関側に、東北線、上越線、信越線、中央東線では東京側に併結される。そのため、列車編成でいう「下り側」に併結されるケースが多い。
ただし、信越線、中央東線は東京側が列車編成でいう「上り側」になる。
(注2)
文献P7205-1(沢柳1972)には、宇野線において1964年から始まったクモニ13の併結運転を、1965年12月にクモユニ81に置き換えたとある。
文献P7205-10(藤井1972)には、クモハユニ64(1972年に休車)に代わって赤穂線使用の51系に併結されるクモユニ81が岡山運転区に配属とある。
つまり、クモユニ81は、宇野線、赤穂線の両線で戦前型と併結運転していたと思われる。
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“ゲタ電”の頃