国鉄の指定色

車両の色彩を科学的に取り扱うため、1953・54年に国鉄はJREA(日本鉄道技術協会)に色彩調節に関する研究を委託し、その結果は1956年にまとめられました。これを受けて1956年に「国鉄車両関係色見本帳」が作られ、「○色○号」という呼び方がされるようになりました。翌1957年にはマンセル記号によって外部色を規定するようになりました。(文献J8503-1)
これが国鉄の車体外部指定色であり、その中から組み合わせを選択して、塗装を決めています。
ここでは指定色の中で、主に旧型国電に採用されたものについて一覧にまとめてみます。

表7-2 旧型国電に使用されている指定色一覧
色見本 色名
(色通称)
修正マンセル記号 使用車両
ぶどう色1号 6YR 1.5/2 戦前の客車
ぶどう色2号 2.5YR 2/2 旧型国電、旧型電機
117系新快速の帯
ぶどう色3号 7.5R 2/6 80系関西急電色の幕板・腰板
赤13号
(小豆色)
3.5R 3.8/6 交直両用電車・電機
赤2号
(えんじ色)
4.5R 3.1/8.5 交流電車・電機
特急形の窓まわり
新潟色
朱色5号
(柿色)
8.3R 5/11.1 一般形気動車(首都圏色)
朱色4号
(金赤色)
9R 4.3/11.5 一般形気動車の幕板・腰板
(仙石線の旧型国電の腰板)
朱色1号
(オレンジバーミリオン)
0.5YR 3/8.8 中央線101系
片町線旧型国電ほか
黄かん号 4YR 5.5/11 湘南色の窓まわり
飯田線快速色の窓まわり
クリーム色4号
(小麦色)
9YR 7.3/4 一般形気動車の窓まわり
(仙石線の旧型国電の窓まわり)
特急形の幕板・腰板
交流・交直流電車の飾り帯
クリーム色3号 7.5YR 6.7/5.8 80系関西急電色の窓まわり
70系阪和色の窓まわり
クリーム色2号 4Y 8/5.5 初期スカ色の窓まわり
クリーム色1号 1.5Y 7.8/3.3 スカ色の窓まわり
富山港線の買収国電の上半分
黄5号
(カナリア色)
2.5Y 7.5/8.8 総武線101系ほか
新潟色の窓まわり
黄かっ色2号 2.5Y 5.5/4 戦前型気動車の窓まわり
黄緑6号
(ウグイス色)
7.5GY 6.5/7.8 山手線103系ほか
仙石線、呉線の旧型国電
淡緑1号
(薄緑色)
10GY 7/1.8 客室内張り
緑2号
(ダークグリーン)
10GY 3/3.5 湘南色の幕板・腰板
緑1号 3BG 3.5/5.5 終戦後の山手線
70系阪和色の幕板・腰板
青緑1号
(エメラルドグリーン)
2BG 5/8 常磐線103系
青22号
(スカイブルー)
3.2B 5/8 京浜東北線103系ほか
大糸線、富山港線などの旧型国電
青20号
(ブライトブルー)
4.5PB 2.5/7.8 福塩線旧型国電
新型客車
青15号
(インクブルー)
2.5PB 2.5/4.8 スカ色の幕板・腰板
電気機関車、客車
青14号
(マリンブルー)
7.5PB 3/6 座席モケット
青4号 6PB 3/5.5 富山港線の買収国電の腰板
青3号
(藍青色)
5PB 2/3 戦前の気動車の腰板
青2号
(暗青色)
2.5B 3/2.3 初期スカ色の幕板・腰板
飯田線快速色の幕板・腰板
本表の作成手順と注意事項
  1. この表は、文献J8503-2を基本に作成しています。
  2. マンセル記号から16進数表記への変換は、下記のWebサイトを使用しました。両サイトでは異なる数値が表示されるため、実物に近い見え方をする方を採用しています。
    PCCS−HEX−マンセル変換ツール
    マンセル表色系とRGB値(機能拡張版)
    なお、ぶどう色2号のみは、見え方を実物に近くする調整をしています。
  3. 上記の手順で算出された16進数表記により色見本を作成し、Webページに表示し、そのページの色を本表の「色見本」の列に表示しています。
  4. 本表の色見本は、実際の車両の色とは異なります。その理由は下記の通りです。

    •  大元は国鉄が実際に車両に塗装していた塗料の色であり、これを正しく継承するための「見本帳」があり、それをマンセル記号で表現し、今回それをWeb上で16進数に変換するという複数の変換手順を踏んでいる。
    •  実際の塗装は、車両の外板に塗装され、屋外を中心に走行しているが、本表の色見本は画面に表示されるものである。
    •  実際の塗装は、車両という大きなキャンバスに表現されるものだが、本表の色見本は80ピクセル四方という小さい区画に収められている。
    •  印刷でも、モニタ上でも、色を完全に再現することはできない。さらにモニタの環境、見る角度などにより、異なって見える場合もある。
修正マンセル記号とは
  1. 修正マンセル記号は、色を表す記号の一つで、H V/Cの三属性で表します。
  2. H V/C とは、H=色相、V=明度、C=彩度です。
  3. 色相の記号は、例えば、YR=Yellow-Red(黄赤)、PB=Purple-Blue(青紫)を表します。
  4. 例えば「3.5R 3.8/6」の読み方は「3.5R、3.8の6」です。
  5. マンセル記号については、文献F7512-1、J8503-2を参考にしています。
16進数表記とは
  1. 16進数表記は、Web上(モニタで見る色)の指定方法です。
  2. 「#RRGGBB」方式の指定では、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のそれぞれを2桁の16進数(00〜FF)で表します。
  3. 標準の16色は、WindowsのVGAパレットに準拠した色で、Web Safeカラー(色指定値)は異なるOSでも同じように表示される色です。
  4. 16進数表記については、「アンク(2000)ホームページ辞典(翔泳社)」を参考にしています。
主な参考文献
  • F7512-1 黒岩保美(1975)「こくでん・いろいろ噺」(鉄道ファンNo.175)
  • J8503-1 星晃(1985)「国鉄車両の色あのころ≠フ話」(鉄道ジャーナルNo.217)
  • J8503-2 「国鉄車両に使われている色彩と用途」(鉄道ジャーナルNo.217)
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