称号改正
1911(明治44)年
鉄道国有法発令を受け、多くの私鉄が国有化され、国鉄車両が増加したのを受け、1910(明治43)年9月に客車の形式が統一され、1911(明治44)年1月に電車の形式もこれに繰り入れられました。
電車の形式は、客車の2等車と3等車の間の数字が与えられ、2軸車は950〜999、ボギー車は6100〜6499となりました。
記号の「デ」は後には電動車を表しますが、この時は電車を表す記号であり、モーターがない車両も「デ」となります。また、電車のクラスは2等並とされ、等級記号(ロ・ハなど)はつきません。
(1)主な変更点
客車の番号体系の中に、電車の番号が割り当てられたのが大きな変更点です。
また1909年に中央線の2等廃止により、電車の2等車は消滅していたこともあり、電車の等級は記号、等級帯ともに廃止されました。
表8-1-1 明治44年改正の変更点
| 従来の形式称号 | 新しい形式称号 |
|---|---|
| 記号 | |
| 重量記号なし 例:ハ |
重量記号あり 例:ホデ |
| 電車を表す記号なし 例:ハ2 |
電動車を表す記号=デ 例:デ960 |
| 等級記号あり 例:ロハ |
等級記号なし 例:デ |
| 番号 | |
| 1からの一連番号 例:ハ6 |
客車の番号体系内に割当 例:デ965 |
(2)記号の変更点
新たに電車を表す「デ」の記号が制定されますが、これは客車での等級記号と同じ扱いです。つまり客車では「ホハ」「ナロ」となるのに対し、電車は「ホデ」「ナデ」となります。
表8-1-2 明治44年改正の記号
| 記号 | 車種 | 語源 |
|---|---|---|
| デ | 電車 | 「でんしゃ」のデ |
| ト | 付随車 | 「トレーラー」のト |
| ニ | 荷物車 | 「にもつ」のニ |
| ホ | 重量記号(22.5〜27.5t) | 「ボギー」のボ |
| ナ | 重量記号(27.5〜32.5t) | 「中形」または「並形」のナ |
| 備考 | この時期の電車に使用されていた記号のみ記載。 語源については諸説あり。 |
|
(3)番号の変更点
形式番号は客車の間に位置し、二軸車が950〜、ボギー車が6100〜が与えられました。
表8-1-3 明治44年改正の形式
| 割当番号 | 車種 |
|---|---|
| 950〜999 | (二軸電車) |
| 5000〜 | (客車)特別車、寝台車、食堂車、1等車、2等車 |
| 6100〜6399 | (電車)2等車、2・3等車、3等車 |
| 6400〜6499 | (電車)付随車、荷物合造車 |
| 6500〜 | (客車)3等車、郵便車、荷物車 |
撮影:鉄道博物館(2026.5.11)
重量記号と電車の「デ」を組み合わせた記号は、この称号改正から約3年半ほどの短い間のものでした。
主な参考文献
- B5901 新出茂雄ほか(1959)「国鉄電車発達史」電気車研究会
- B0601 沢柳健一ほか(2006)「旧型国電車両台帳 院電編」ジェー・アール・アール