70系客車(17m車)
戦災を受けた客車や電車を復旧した70系客車は376両がありますが、そのうち126両が17m車で、うち56両が国電を復旧した車両です。
原形式にはオハ70、オニ70、オユニ70の3形式がありますが、国電の改造車はオハ70とオユニ70の2形式に存在します。早くに郵便・荷物車へ、さらに救援車へと改造されるなど、短命に終わりました。
オハ70形
スニ73形
スニ73形は、オハ70形のうち電車形車体をもつ車両を改造した荷物車で、34両全車が元国電です。多くが救援車のオエ70形に再改造されています。
スニ738
画像:所蔵写真
1949年に日本鋼管で車体を新造してオハ70形としたもの。
荷物車に改造する際のものか、尾灯が窓レベルの位置に設置されています。
クハ65→(日本鋼管改造)オハ70108→スニ738(→オエ703)
スニ7313
画像:所蔵写真
1947年に日国工業で車体を新造してオハ70形としたもの。切妻で窓の大きい標準的な電車タイプの車体です。
サハ36006→(日国工業改造)オハ7032→スニ7313(→オエ7047)
スニ7316
画像:所蔵写真(宮原操車場 1957.3.17)
1948年に木南車輌で車体を新造してオハ70形としたもの。上記の日本鋼管製、日国工業製と比べてもほとんど差異がなく、形式図通りの標準的な車体を各メーカーが新造したことが分かります。
サハ39015→(木南車輌改造)オハ7064→スニ7316
スニ7325
画像:所蔵写真(宮原操車場 1957.6.18)
画像:所蔵写真
1949年に富士産業半田工場で旧車体流用で復旧しオハ70形としたもの。切妻車体に改造されているので、一見車体新造車と似ていますが、側窓の桟が上側にあったり、車体にリベットがある点などで車体流用だと分かります。
モハ31093→(富士産業改造)オハ70111→スニ7325(→オエ705)
(注1)
スニ7327
画像:所蔵写真(宮原操車場 1957.8.18)
1948年に日本鋼管で車体を新造してオハ70形としたもの。やはり電車タイプの標準車体。改造から10年くらいですが、外板の凹みが目立ちます。
クハ65125→(日本鋼管改造)オハ7046→スニ7327
スニ7329
画像:所蔵写真(東京駅 1962.6.16)
1948年に日国工業で車体を新造してオハ70形としたもの。
モハ30064→(日国工業改造)オハ7073→スニ7329(→オエ7037)
スニ7333
画像:所蔵写真(京都駅 1956.8.26)
1948年に富士産業半田工場で、旧車体流用で復旧してオハ70形としたもの。切妻車体になっていますが、窓位置が高い点やリベットが30系の面影を伝えます。
モハ30071→(富士産業半田工場改造)オハ7087→スニ7333(→オエ7046)
スニ75形
スニ75形はオハ70形を改造した荷物車で、車端に出入台がある客車タイプの車体を持つ車両。電車台枠流用車は091〜として区分されています。(注2)
スニ7593
画像:所蔵写真(宮原操車場 1957.6.9)
1948年に富士産業宇都宮工場で車体を新造してオハ70形としたもの。電車の台枠を利用しながらも、側窓の小さい客車タイプの車体を新造しています。
モハ30097→(富士産業改造)オハ7094→スニ7593(→スニ752093)
スニ7596
画像:所蔵写真(大阪 1961.4.19)
1948年に富士産業宇都宮工場で車体を新造してオハ70形としたもの。床下にトラス棒があり、元木造車であったことを物語ります。
サハ75015→(富士産業改造)オハ7088→スニ7596(→オエ7012)
スニ7599
画像:所蔵写真(鳥栖 1959.4.14)
1949年に富士産業宇都宮工場で客車タイプの車体を新造してオハ70形としたもの。(注3)
サハ36026→(富士産業半田工場改造)オハ7099→スニ7599
オエ70形
オエ704
画像:所蔵写真
1949年に日本鋼管で車体を新造してオハ70形としたもの。電車タイプの車体を持つ。
クハ65→(日本鋼管改造)オハ70110→スニ7310→オエ704
オエ7016
画像:所蔵写真
1947年に日国工業で車体を新造してオハ70形としたもの。電車タイプの新造車体。
撮影時期は不明ですが、車体裾やウィンドシル・ヘッダー部分に補強修繕の跡が見えます。
クハ65128→(日国工業改造)オハ7031→スニ7312→オエ7016
オエ7038
画像:所蔵写真(三次客貨車庫)
1948年に日国工業で車体を新造してオハ70形としたもの。電車タイプの新造車体。
救援車となったこの写真では、車体に「芸備線管理所三次客貨車庫」の文字があります。
サハ39002→(日国工業改造)オハ7069→スニ7321→オエ7038
オエ7043
画像:所蔵写真
1948年に富士産業半田工場で車体流用で復旧してオハ70形としたもの。切妻車体ですが、窓の高さ屋リベットにモハ30形の面影があります。
モハ30127→(富士産業半田工場改造)オハ7084→スニ736→オエ7043
オエ7047
画像:所蔵写真
車体の隅のカギ形に30系の面影があります。
サハ36006→(日国工業改造)オハ7032→スニ7313→オエ7047
オエ7049
画像:所蔵写真(紀伊田辺機関区 1966.6.9)
クハ65125→(日本鋼管改造)オハ7046→スニ7327→オエ7049
オニ70形
オニ70形は最初から荷物車として復旧された8両のグループで、最終1両のみが国電。ただし車体はすべて客車タイプでの新造です。
オエ70形
オエ709
撮影:長野運転所(1981.3.30)
1948年に川崎重工で客車タイプの車体を新造してオニ70形としたもの。
モハ34023→(川崎重工改造)オニ708→オエ709
(参考掲載)オエ701
撮影:松本運転所(1981.3.29)
1948年に汽車支店で客車を復旧の上、車体を新造してオニ70形としたもの。元の客車が折妻だったため、それを継承しています。
オロハ3036→(汽車支店改造)オニ703→オエ701
車両一覧
表3-8-2 70系客車(17m車)概要
| 形式 | 両数 | 両数(元国電) | 改造・改番 | 改造・改番 |
|---|---|---|---|---|
| オハ70 | 113両 | 55両 | スニ73/スニ75 | オエ70/オヤ70 |
| オニ70 | 8両 | 1両 | − | オエ70 |
| (オユニ70) | 5両 | 0 | − | (オエ70) |
| ( )内は客車ベースの車両のみの形式。 | ||||
主な参考文献
- P5811-1 江波秀雄(1958)「70系客車のいろいろ」(鉄道ピクトリアルNo.88)
- B9701 沢柳健一(1997)「旧型国電車両台帳」
- M2301 藤田吾郎(2023)「70系戦災復旧客車」(RM LIBRARY No.277〜279)