モハ62・クハ66形
1974年に72系を改造して115系並の車体としたモハ62・クハ66形が身延線に登場しました。同じ時期に新造されていた115系300番代と同じで、側窓は角張ったユニットサッシにで、前照灯はシールドビームになっていますが、冷房装置や側面方向幕はありません。
全国のローカル線に残る旧型国電の近代化策として、房総地区などへの投入も考えられたそうですが、結果的に近郊形はこの12両で終わりました。
モハ62形
モハ62000
撮影:甲府駅(1981.4.26)
モハ62000
撮影:富士電車区(1980.8.31)
モハ72を改造した中間電動車がモハ62で、000番代は旧63系改造のためDT13型台車を履いています。身延線で使用するためパンタグラフ部分が低屋根になっています。
室内灯を新性能電車並の40W蛍光灯とするため、113系の冷房改造で捻出された交流20kVAの電動発電機を取り付けています。そのため在来車との引き通しが出来ないため、編成の中間に混結することはできません。
モハ62502
撮影:鰍沢口駅(1981.4.26)
500番代は量産型のモハ72500番代を改造した中間電動車で、DT17型台車を履いています。
車幅は新性能近郊形電車と同じ2,900mmで、車体裾を絞っていますが、元の台枠は2,800mm幅の垂直なので、台枠部分で外板が垂直に戻る独特の断面になっています。
モハ62502(車内)
撮影:鰍沢口駅(1981.4.26)
113系や115系などの近郊形と全く同じ車内です。セミクロスシートで、背摺りの肩部には大型の手すりが付きます。両開き扉はステンレス製で内側は無塗装です。
クハ66形
クハ66000
撮影:富士宮電留線(1984.5.1)
制御車はクハ66で、旧63系を改装した000番代はDT13型台車を履いています。
前照灯はシールドビームで、運転台奥行きを広く取った設計は、最新の近郊形に準じています。もっとも旧型国電の幌は上部の丸みが強いため、顔つきが若干異なります。
写真は1984年に営業運転を終え、12両全車がつながって留置されているところ。
クハ66301
撮影:富士電車区(1980.8.31)
撮影:国母駅(1978.4.2)
300番代は量産車のクハ79300番代を改造したもので、TR48型台車を履いています。
運転台側の側面に、小窓があったり、乗務員扉次位の戸袋が大型である点など、115系300番代などと同じなのが分かります。幌枠の上部の丸みは、この車両を見るとよりはっきりします。スカ色の塗り分けは113系に準じていますが、抑速ブレーキの有無で決められたものと想像します。
クハ66303
撮影:鰍沢口駅(1983.11.23)
撮影:鰍沢口駅(1981.4.26)
1981年に身延線の戦前型国電が廃車となった後も、モハ62.クハ66形は1984年まで115系とともに運行を続けました。
車内を見ると、運転台仕切の窓が小さい点が最新の近郊形電車に準じているのが分かります。
クハ66002(運転台)
撮影:鰍沢口駅(1981.4.26)
新性能電車と見間違うような運転台です。
表4-62 モハ62・クハ66形改番表
主な参考文献
- P7402-5 高林盛久(1974)「モハ72旧型電車の近郊形なみの車体改造」(鉄道ピクトリアルNo.289)
- P0005-5 末次清(2000)「73系出自の車両たち」(鉄道ピクトリアルNo.684)