日本の鉄道

番代と番台のこと

○○系□□番代とは

153系0番代
153系
基本形(低運転台)

153系500番代
153系
改良形(高運転台)


国鉄(JR)には「番代」というものがあり、「クハ153-500番代」という使われ方をします。これは、クハ153の基本仕様(基本番代、0番代などともいう)に対して、仕様の一部を変更したことから製造番号を501番から始めたため、「500番代」と名乗るというものです。

Web上の一般的な考え方

もっとも、今Webで検索すると、「番代」ではなく「番台」と表記されるのがほとんどです。
Web上の一般的な考え方をまとめると、下記のようになるようです。

国語的には「番台」が正しいが、国鉄(JR)が正式呼称として「番代」を使用しているため、国語的に間違っている「番代」と書くこともある

私の考え方では「番代」が正解である

EF65形基本番代
EF65
基本形(F形)

EF65形500番代
EF65
旅客用(P形)

EF65形1000番代
EF65
改良型(PF形)

私は、このWeb上の常識に異を唱え、「番代」が正解であると考えます。ただし、「番台」を使うケースも否定しません。
なぜ「番代」が正しいのかという説明をします。この場合の「代」は、「世代」「20代の若者」「第54代横綱」「代替わり」などと似た意味だと考えられます。国語辞典で「人生や歴史の各区分」などと説明されます。
鉄道車両の場合、製造番号を区別することで、車両の世代の違いや仕様の違いを表しており、これらの「代」と意味が一致するのです。

「番台」が正しいとの主張がある理由

番台

一方。「番台」を支持する意見が多数を占めるのはなぜでしょう。
一つに、辞書に載っている熟語に「番台」はあっても「番代」はないからだと思われます。その流れで、パソコンで出てくる変換候補にも、「番台」はあっても「番代」はありません。
理由は明快です。「番台」は、風呂や芝居小屋などの入口に設けられた台という意味の熟語だからです。
しかし、ここでの主題である「番代」は熟語ではなく、「番」と「代」の単語が組み合わさっているにすぎず、辞書には載っていないのです。

「番台」を使うとこうなる

クハ79943
クハ79

この車両は「番代」を使うと、クハ79形920番代と呼ばれます。クハ79形920番から始まり955番に至るグループだからです。

一方、「番台」の「台」は、「20歳台の若者」「円安が130円台に達した」「大台に乗る」などと似た意味だと考えられます。国語辞典で「年齢や値段などの端数を切り捨てたおおよその範囲」などと説明されます。
なので番台を使うと、この車両はクハ79形900番台またはクハ79形940番台と表現することになり、車両の形態別グループを正しく表現できなくなるのです。

結論

クハ103-601
103系

重ねて具体例を示して結論とします。
クハ103-601という車両が存在します。クハ103クハ103-1から始まりましたが、京浜東北線に投入される際、下り向きに固定した車両が必要になり、番号を飛ばしてクハ103-501から付番することになりました。
これがクハ103-500番代です。そして、そのグループが100両を越えたため、クハ103-601という番号の車両も登場しました。この車両はクハ103-500番代の一員です。
番号が600の大台に乗っていますので、番台を使うなら、クハ103-600番台と呼ぶことになるでしょう。しかし残念ながら、車両の種類として500番台600番台を区別をしても無意味なのです。

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