自治体バス

昭和の松電図鑑

写真:奈川渡ダムに停車中の奈川村営バス(1995頃)

1980年代から1990年代にかけて、民間のバス事業者は赤字の路線バスの縮小、廃止を進め、その受け皿として、町営バスや村営バスなどの自治体バスが増加しました。
それらに使われる車両には、路線バス会社の仕様に近いものを入れる事例も多く、カメラを向けた車両が何台かあったので、紹介します。
なお、当時はそのほとんどが自家用ナンバーの自治体バス(自家用有償輸送)で、車両も運転士も行政が用意して運行していました。


明科町営バス
三菱FK103F(1978年)
明科町営バス

撮影:明科駅(1989.3.22)

1989年3月に、松本電鉄の潮沢線(明科駅〜白坂口)が廃止になり、新設された明科町営バスが代替バスを自家用有償輸送で運行を開始しました。
その際、小型バス1両が松本電鉄から明科町に譲渡されました。明科町の頭文字のAとアヤメの紫色をデザインしたカラーリングに塗り替えられています。
開業式当日の写真です。

麻績村営バス
いすゞジャーニーL(1987年)
麻績村営バス

撮影:聖高原駅(1990)

麻績村では1987年に松本電鉄が廃止した麻績〜西条線の一部区間を滑沢線(聖高原駅〜滑沢)として、新たに村営バスとして代替しました。

日産デ P-RM81E(1987年)
麻績村営バス

撮影:聖高原駅(1989.3.6)

同じく1987年に川中島バスが廃止した樺内線(聖高原駅〜樺内)を麻績村営バスと大岡村営バスが共同で運行します。写真の車両は途中の穴水までの運行のサボを入れています。
松本電鉄でも川中島バスでも採用されていない日産ディーゼルの中型バスです。

大岡村営バス
日産デ P-RM81E(1987年)
大岡村営バス

撮影:聖高原駅(1990)

大岡村では、川中島バスが廃止した樺内線(聖高原駅〜樺内)を麻績村と共同で代替運行します。
乗り入れ先でもある麻績村の村営バスとは同型車。共同で購入したのでしょう。

本城村営バス
日産デ P-RM81E
本城村営バス

撮影:本城村役場(1989.3.6)

本城村では松本電鉄が廃止した乱橋線(西条駅〜乱橋)を村営バスで代替しています。
車両はやはり麻績村と大岡村との同型車。同じ時期に隣りの坂北村も村営バスをスタートしていますので、それも同型車だったかも知れませんが、撮影していません。

坂井村営バス
三菱 P-MK116F
坂井村営バス

撮影:聖高原駅(1990)

坂井村営バス

撮影:聖高原駅(1990)

坂井村では松本電鉄が廃止した青木線(聖高原駅〜真田)を村営バスで代替しています。路線名から元々は青木村まで運行していたと思われますが、1983年時点で坂井村の端の真田止まりになっていました。
車両は松本電鉄より千曲バスに近い前中折り戸の短尺車です。

青木村営バス
三菱P-MK116F(1985年)、日野P-AC140AA(1984年)
青木村営バス

撮影:青木(1989)

青木村では、千曲バスが運行していた村内路線を、1984〜85年にかけて白ナンバーの村営バスとして代替しました。
引法線用のマイクロバスと、管社線、入奈良本線用の中型バス。中型バスは一見千曲バスの路線車と似ていますが、前ドア車。

池田町営バス
池田町営バスセンター
池田町営バス

撮影:池田町営バスセンター(1989.3.6)

池田町では、松本電鉄が廃止した町内路線を町営バスとして代替します。町役場の近くに新設されたバスセンター。

マツダ ボンゴ
池田町営バス

撮影:池田町営バスセンター(1989.3.6)

5ナンバーのワゴン車は、窓の中にスクールバスと書かれています。さすがに路線バスではないようですが、町営バスセンターに置かれていました。

日産キャラバン
池田町営バス

撮影:池田町営バスセンター(1989.3.6)

こんなワゴン車も町営「バス」と呼ばれます。今でこそ当たり前になりましたが、当時は「ジャンボタクシーじゃんか」と思いました。
新たにスタートした町営バスの専用カラーに塗装され、池坂線で使用されます。

日産シビリアン
池田町営バス

撮影:池田町営バスセンター(1989.3.6)

こちらの車両はいわゆるマイクロ「バス」なので、町営バスには相応な車両だと思いましたが、後ろの方に「スクールバス」と書かれている通り、これまでも町で所有していたスクールバスです。

いすゞU-LV318N(1993年)
池田町営バス

だいぶ後のことになりますが、あまり知られていないことなので、ここで触れておきます。
2002年に川中島バスが明科〜大町線を廃止したことで、池田町営バスで明科線を代替運行する必要が生じます。特に池田町内から明科高校への通学の足として、輸送力のある車両が必要であることから、松本電鉄が大型バス1両を譲渡しました。
譲渡の対象となったのは、10326号車。上高地線に投入された後、白馬営業所などに転じていたもの。しかし、まだ製造から10年経っていない車両で、冷房付、高出力、ハイバックシートと、山岳路線には貴重な仕様の車両でした。
その上、結局大きすぎて持て余したのか、間もなく廃車になってしまいました。松本電鉄でも川中島バスでも、山陽電鉄から似たような仕様の中古をかき集めている中、もったいないことをしました。
(写真資料がないため、車両に書かれている文字は、実物とは異なる可能性があります)

奈川村営バス
いすゞU-LR332J(1992年)
奈川村営バス

撮影:長野県(2018.5.20)

松本電鉄が廃止した奈川線の代替運行のため、奈川村が購入した白ナンバーの車両ですが、仕様が松本電鉄とよく似ています。自治体バスが地元の路線バス会社の仕様に準ずるというケースはよくありました。
写真は、なぜか北信地方で廃車体として残されていたもの。方向幕には「木曽路原」とあります。

いすゞU-LR332J(1992年)
奈川村営バス

撮影:長野県(2018.5.20)

こちらは同型車で奥に置いてある車両。
方向幕には「奈川渡ダム」が残ります。

八坂村営バス
日野 P-RJ172CA
八坂村営バス

撮影:八坂村(1990)

八坂村では川中島バスが廃止した村内と信濃大町駅を結ぶ路線を村営バスで代替しています。
車両は川中島バスがそのまま新車を入れたらこうなっただろうというような、前中折り戸の日野車です。

ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”