松本電鉄・諏訪バス

1988(昭和63)年導入車

昭和の松電図鑑

写真:乗鞍岳のコロナ観測所(1989.8)

1988年は、長野自動車道が岡谷〜豊科間で部分開通したことで松本市が高速道路で首都圏や中京・近畿圏と結ばれた年です。松本電鉄でも高速バスに初参入、本格的な高速バス時代を迎えました。一部一般道路経由ではありますが、県内高速バスの「みすずハイウェイバス」も運行を開始しました。
また路線バスでは、諏訪バスに冷房付の中古車が初めて入るなど、これも時代の転換点となりました。


路線車

三菱P-MP218M(松本電鉄860、諏訪バス61・62)
松本電鉄 860(松本22あ1214)
松本電鉄

前年に引き続き、補助金車はエアロスターKです。
諏訪バスの2両と、松本電鉄で塩尻営業所に配置された1両は、長さも同じ標準尺でした。

三菱P-MP218K(861〜864)
松本電鉄 862(松本22あ1216)
松本電鉄

撮影:明科営業所(1989.3.5)

松本電鉄 862(松本22あ1216)
松本電鉄

撮影:明科営業所(1989.3.5)

1988年の補助金車のうち、明科営業所に配置された4両は短尺車でした。山岳路線の中房温泉線(穂高駅〜中房温泉)に使用されることを考慮したものと思われます。車内を見ると、2人掛けの補助椅子が付けられています。
もっとも、短尺であることは外観上は区別がつかず、最初はみな同じ標準尺車だと思い込んでいました。

いすゞP-LV314L(車番 870〜876)
松本電鉄 875(松本22あ1264)
松本電鉄

撮影:上高地(1988.7.22)

松本電鉄 871(松本22あ1260)
松本電鉄

撮影:上高地(1988.7.16)

1988年に7両が新島々営業所に配属された久々のいすゞの大型路線車。標準出力で冷房もありませんが、ハイバックのリクライニングシートで、2人掛けの補助椅子もついています。
もっとも、屋根が角張っていて床が低い構造は、当時断面が小さかった釜トンネル通過には困難もあったようで、休日のみだった沢渡〜上高地間にしか使われていませんでした。

松本電鉄 10875(松本22あ1264)
松本電鉄

撮影:松本営業所(1992.1)

7両とも、10120〜の高出力車が新島々に配置になるに伴い、松本営業所に配置転換になりました。ほぼ同じころ、外装も塗り替えられました。補助椅子も順次撤去されました。
冷房はありませんが、松本市内で横引き窓、ハイバックシートというのは、かなりデラックスな車両に見えたものです。

路線車(中古車)

三菱MP117M(1979年製)
諏訪バス 79
諏訪バス

撮影:松本市(1988.11.23)

京阪バスからの中古車で、整備後に松電自動車工業に置かれているところを発見、諏訪バスが京阪中古を購入したことを、この時初めて知りました。
まだナンバープレートはついておらず、ライトベゼルも外されたままです。
この日、その足で諏訪バスエリアに向かったところ、既に就役していた京阪バス軍団に出くわし、さらに度肝を抜かれたわけです。

諏訪バス 66(松本22あ1269)
諏訪バス

撮影:茅野営業所(1990)

諏訪バス 63
諏訪バス

撮影:茅野営業所(1989.3.21)

1988年に諏訪バスに初めて入った中古車で、かつ冷房車。
元京阪バスで前後ドアなので、諏訪バスでは違和感はありませんでした。しかし、赤面積の多い直線塗り分けを採用し、大型方向幕や後部の冷房ユニットなどの特徴は、一般の利用者から見ても目を引く存在だったようです。
これは呉羽ボディなので、丸みのあるボディスタイルです。

諏訪バス 70(松本22あ1271)
諏訪バス

撮影:岡谷駅(1988.11.23)

諏訪バス 73(松本22あ1292)
諏訪バス

撮影:岡谷駅(1988.11.23)

同時期に入った中古車ですが、こちらは三菱ボディなので、窓の大きい明朗なスタイル。松電カラーでこのスタイルは初めてです。
これらが新車だった1970年代末期、大型方向幕や冷房ユニット付の新車が都会に導入されて驚いた経験をしている身としては、10年後に再びの疑似体験となったのです。

高速車

三菱P-MS725S(松本電鉄880〜885、諏訪バス607・608)
松本電鉄 885(松本22あ1290)
松本電鉄

撮影:松本営業所(1988.12.16)

1988年9月のみすずハイウェイバス(長野・松本〜駒ヶ根・飯田)運行開始に伴って導入された後部トイレ付36人乗りのエアロバス。グループ3社同一仕様での購入です。
松本電鉄では初めての高速バス車両で、最前部のみ開閉式の固定窓、シルバー地色の新カラー採用など、この時期のスタンダードを確立しました。
松本〜名古屋線の予備車としても使われるため、写真の車両は「中央道高速バス」のカッティングシートになっています。実際、最終番号の885だけは名古屋線開通後の納車です。

(参考)川中島バス (長野22あ1610)
MS725S

画像:川中島バス時刻表(1989年)

長野自動車道はまだ豊科ICまでの開通でしたが、みすずハイウェイバスは長野〜豊科IC間を国道19号線を経由して開業します。そして川中島バスが初めて高速バスに参入します。
松本電鉄、諏訪バスと同型車の3両1610〜1612で窓に貼ったカッティング文字も共通でした。

三菱P-MS725S(車番 886〜889)
松本電鉄 889(松本22あ1286)
松本電鉄

撮影:松本営業所(1989.4.5)

高速バス松本〜名古屋線の運行開始に合わせて4両が新造されたスーパーエアロⅡ。中央部にトイレのある34人乗りで、共同運行の名古屋鉄道、ジェイアール東海バスもほぼ同じ仕様の同型車で揃えました。
このあたりから、昼行便であっても高速バスはスーパーハイデッカーという傾向になります。車内には給茶機や自動車電話、ビデオ・テレビ、マルチステレオが完備されるなどのバブル仕様です。

貸切車

いすゞP-LV719R(松本電鉄840・841、松電観光バス481・482、諏訪バス840〜843)
松本電鉄 841(松本22あ1241)
松本電鉄

撮影:松本営業所(1988.7.5)

前年に続き導入された貸切のスーパーハイデッカー。松本地区と諏訪地区に4両ずつ配分されました。

松電中央観光バス 481(松本22あ1243)
松電中央観光バス

画像:松電中央観光バスカタログ(1990)

松電観光バスに配属され、1990年設立の松電中央観光バスに移籍した車両。45人乗りのノーマルな11列シート車。

諏訪バス 840(松本22あ1247)
諏訪バス

撮影:諏訪市(1990)

いすゞP-LV719R(諏訪バス844・845)
諏訪バス 844(松本22あ1238)
諏訪バス

撮影:諏訪市(1989)

諏訪バスにのみ入ったタイプ。この車両からフルデッカーでも貸切新カラーが採用されました。
また、補助席付の場合、これまでは上部のみ引き違い(逆T字)窓が可能でしたが、この年度から下部引き違い(T字)窓になりました。

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80s岩手県のバス“その頃”