Highland Expressカラーの詳細
写真:長野市
1990年末にGI(グループ・アイデンティティ)の導入と同時に、バスとタクシーの新デザインが発表されます。「ダイナミックストライプ」と呼ばれる5色のラインと「Highland Express」のロゴにより構成された新デザインは、この時に始まりました。GIは米国のコンサル大手のランドーアソシエイツ社によりまとめられ、車両デザインも同社の手によります。
ここでは、そんな新デザインのバリエーションについてまとめてみます。なお、「アルピコグループ」の名前が付けられたのは1992年のことで、このカラーデザイン登場より後のことです。従って、一般的に「アルピコカラー」という呼び方が定着していますが、時代的には一致しないため、その呼び方はなるべく避けるようにします。
松電観光バス 20471(松本22あ1196)
画像:GI発表時プレスキット(1990)
新デザインの試験採用車はその時点で最新スタイルのスーパーハイデッカーが充てられました。バンパーや窓柱まで白く塗装するのがデフォルトですが、その後の新車や塗り替え車では窓柱の白塗りは避けられました。5色のラインは「ダイナミックストライプ」と呼ばれ、フリートマーキングにより施工されています。
貸切バスと高速バスがこのデザインになり、新車の導入や在来車の塗り替えも急速に進みました。
観光タクシー
画像:GI発表時プレスキット(1990)
同時に新デザインになったのがタクシーです。ダイナミックストライプやHighland Expressのロゴも共通です。屋根上の行灯は、幅の広いものに変わり、アメリカンチックで魅力的でした。
バスと同様バンパーも白く塗られています。この点は当初違和感がありましたが、時代の方がじきについてきた感じです。
新デザインへの塗り替え
新車
松電観光バス 20002(松本22あ1410)
画像:信州観光バスセンターカタログ
新デザインの決定を待っていた貸切専業各社では、新デザイン発表の12月に合わせて堰を切ったように新車を導入します。
松電観光バスと松電中央観光バスでは、エアロクィーンMVを4両ずつ導入しました。補助椅子付のスーパーハイデッカーです。
川中島グリーン観光バス 51770(長野22あ1770)
画像:信州観光バスセンターカタログ
長野の川中島グリーン観光バスでは、3列シートのセレガGJを3両導入。松電グループでの日野セレガの導入はこれが初めてです。今回の新しいカラーデザインは、これら新しいバスのスタイルとうまくマッチしています。
上越観光バス 60910(長岡22か910)
画像:定期観光バスパンフレット(1991)
新デザイン初回の導入車両では、フルデッカータイプは上越観光バスの3両だけでした。
そのせいもあって、定期観光バスのパンフレットに使える新デザインの写真がなかったからか、1991年の定期観光バスパンフレットの写真は、松本電鉄発行のものも、この車両を使っていました。
既存車両の塗り替え
諏訪バス 30823(松本22あ1002)
撮影:諏訪市(1992)
新デザインの発表後、会社を問わず塗り替えは急ピッチで進みました。
赤青カラーはもちろん、ついこの前銀色の貸切新カラーに塗り替えたばかりの車両も次々に塗り替えられました。
基本的にバンパーやライト周りは白く塗られますが、ドアが黒色に塗られたり、細かい部分では車両によって相違もありました。
モノコックボディの塗り替え
松電観光バス 20702(松本22あ710)
モノコックボディの中型バスが塗り替えられた事例です。松電観光バスでは一旦シルバーの貸切新カラーに塗り替えた後、Highland Expressカラーに再度塗り替えました。
黒色の樹脂製のマスクまで白く塗られ、モノコックボディではメッキ色だったバンパーも白色になってしまうと、新しさというより、無理な衣装合わせに見えてしまいます。
中古車両の導入
川中島バス 41756(長野22あ1756)
撮影:更埴営業所(1992)
新デザインが決まったことで、新車だけでなく中古車も安心して導入されます。
川中島バスと松電観光バスで貸切バスの中古車が入りました。写真は川中島バスが遠州鉄道から購入した譲受車で、富士重工ボディのR3型フルデッカー。
ほぼ同形の長野22あ1726は、浜松観光自動車からの譲受車。
デザイン・バリエーション
エアポート・シャトル(1994〜2002)
松本電気鉄道 10400(松本22あ933)
1994年の松本空港ジェット化に合わせ、松本空港の連絡バスが運行されることになり、貸切バスのロゴを「Airport Shuttle」に変更した車両が投入されました。
松本電鉄では松本バスターミナル発着で、川中島バスでは長野県庁発着での運行でした。車両は両社とも貸切バスからの転用で、松本電鉄がいすゞのハイデッカー�W型、川中島バスが日野ブルーリボンRUでした。その後の第2世代は両社とも高速バスからの転用で、松本電鉄が日野グランデッカ、川中島バスが三菱エアロバスでした。
プレミアム・エクスプレス(2000〜)
アルピコハイランドバス 長野200か76(車番20205)
画像:アルピコハイランドバスカタログ(2000)
2000年に貸切バス事業を統合して誕生したアルピコハイランドバスでは、看板車両としてロゴを「Premium Express」に変えた車両を導入します。
写真のスーパーハイデッカーは、3列シート、化粧室付の特別車。20203〜205の3両はあったようです。2011年のアルピコ交通合併前後までに姿を消しています。
アルピコハイランドバス 松本200か65(車番20614)
画像:アルピコハイランドバスカタログ(2000)
9m車では、ダイナミックストライプを渦巻き状に変えた新デザインを導入しました。ロゴには�T〜�Wが追記されています。
�Tは3列シート+4列サロンの愛称“カインドネス”。
�Uは20615で、4列サロン付で後部にキッチンと大型冷蔵庫を装備した“グルメ”。
�Vは20616で、4列オールサロンで“メロディ”。
�Wは20617で、リフト付のセレガR。
ハイランド・メモリー(200x〜)
アルピコハイランドバス 松本200あ141(車番45714)
撮影:大町営業所(2012.7.4)
アルピコハイランドバスが冠婚葬祭用に導入した小型バスに用いられたカラーデザイン。
ロゴが「Highland Memory」となり、ダイナミックストライプの代わりに同じ5色を使った角丸の四角形が描かれています。
同じデザインで、地色が紺色の車両もありました。葬儀などで明るい色の車両を避ける顧客に向けたものと思われます。