三菱MK(1982年)
三菱MKは、1982年に日野に続いて角張っていて窓の大きいスケルトンタイプにモデルチェンジを図りました。
「ふそう中型バスMK、華麗に新登場。」などと謳ったカタログですが、どの写真もバスの影がくっきりし過ぎているなど、合成写真と思われるものも随所に見られます。
ラフォーレシャンピア(長野県)
カタログ表紙
画像:三菱自動車カタログ(1982)
撮影:飯山市(2025.10.25)
表紙と裏表紙につながった写真には、欧風の白壁を持つ建物を背景にしています。下の見開き写真と同じ建物の角度違い。右に見える白い三角屋根の建物にも「マザーグース」の文字、バスを通して左側の建物の前には「ホテルフロント」「ティーラウンジ」「レストラン」などの看板も見えます。
ここは長野県の斑尾高原。「ラフォーレシャンピア」というリゾートホテル。現在は「Active Life Madarao」という外国人観光客をターゲットにした宿泊施設になっていました。
画像:三菱自動車カタログ(1982)
表紙写真と同じ北欧風の白壁の建物ですが、正面から見ると3階建ての大きな建物です。階段の下には「メルヘンブティック マザーグース」の看板があります。ホテルに併設されたブティックのようです。
カラフルな服を着た3人の女性モデルはカメラ目線で階段を下りてきて、左下のベンチでは、男女がオレンジを挟んだ飲み物を飲んでいます。
1980年代に流行したリゾートホテルでのバカンスの過ごし方です。
撮影:飯山市(2025.10.25)
お洒落なガス灯やマザーグースのイラストなどは姿を消していますが、1980年代の北欧風のプチホテルの貫禄を未だ保ち続けている高原のホテルです。
実際は傾斜地にありましたので、カタログのようにバスを置くことは出来そうもありません。
阪急斑尾山荘(長野県)
画像:三菱自動車カタログ(1982)
撮影:飯山市(2025.10.25)
超デラックス観光仕様が次に向かったのは、朱色のトタン屋根の3階建リゾートホテル。よく見ると、バスを通しての背景画像の合成の仕方が雑なので、合成写真だと分かります。
この建物は阪急グループの経営するリゾートホテルでしたが、残念ながら2006年に閉館してしまいました。
それでも往時の面影そのままの建物の脇を、飯山市のコミュニティバス斑尾線が通り過ぎて行きます。
逗子マリーナ(神奈川県)
画像:三菱自動車カタログ(1982)
撮影:逗子市(2025.1.18)
こちらは窓が開閉式のデラックス観光という仕様の見開き写真。
背景には、5階建てのリゾートマンションがそびえます。赤い瓦屋根のお洒落な建物は、奥のものと2棟あり、庭にはヤシの木が植えてあります。
ここは、西武流通グループ(セゾングループ)が相模湾に面した地区に開発したマリンリゾートで、この建物は最終的に8棟が建設されたリゾートマンションです。
新宿副都心(東京都)
画像:三菱自動車カタログ(1982)
撮影:新宿区(2019.10.5)
同じカタログに路線バス仕様も出てきます。やはりキュービックタイプのボディにモデルチェンジされています。
観光・自家用仕様に比べて画像処理も雑で、もうこれは明らかに合成であることが分かります。太陽の当たり方が後ろのビルと全く異なります。それでも、行きやすい場所ゆえ聖地巡礼してしまいました。1982年当時と比べると、奥の京王プラザホテルと手前のKDDIビルとの間に、新宿モノリスが建っており、風景はちょっと変わっていました。
やってきたのは山梨県の韮崎観光自動車の青いバス。この会社には三菱のバスも多いのですが、この時は日野でした。
場所不詳
画像:三菱自動車カタログ(1982)
こちらは座席がリクライニングしない自家用仕様。冷房もありません。
ゴルフバッグを抱えた男女のグループが出てきた建物は、ゴルフ場のクラブハウスでしょうか。庭にはやはりヤシ系の木が生えています。
画像:三菱自動車カタログ(1982)
表紙などと同じ超デラックス観光仕様ですが、背景の建物が変わりました。
豪華なスィングドアをアピールするための写真ですが、モデルも変わりましたので、別の機会にロケしたものかもしれません。
1980年代といえば女子大生ブーム。このモデルさんもどことなく川島なお美さんに似ています。
登場人物の今
撮影:長野県(2018.8.19)
カタログの高原とは違う山筋になりますが、同じ長野県でついこの前まで活躍していた三菱MKです。
高原でスポーツや合宿を楽しむ若者たちを21世紀まで運び続けていました。
