車掌が乗ったバス
1985年の冬のある日、国鉄バス沼宮内営業所管内に車掌が乗務している路線があると知り、朝早くに訪ねました。
この路線は、岩手町の中心部から東部に行く下屋敷循環線。廃止代替バスということで免許上は乗合バスではありませんが、乗客にとっては路線バスと同じ。昔ながらの車掌さんからの乗車券購入というような雰囲気が楽しめる、珍しい路線でした。
中ドアしかないちゃんとしたツーマン車両を使っています。1975年度のいすゞBU04で、登録番号から岩手県で生まれ育った車両のようです。
もっとも、車掌の乗務はこの年までで、撮影後間もなく貴重なツーマン車両は姿を消しました。
ツーマンバスが姿を見せた
撮影:川口稲荷付近(1985.12.3)
冬の張り詰めた空気の中、大渡方面からツーマンバスが姿を見せました。
行きの車内
撮影:(1985.12.3)
岩手町の中心部へ向かうバスの車内。車掌さんは中ドアの後ろの定位置に乗務しています。ハイバックシートの並ぶ車内には、意外にたくさんのお客様が・・・。病院に通うお年寄りの皆さんのようです。
終点城山
撮影:城山(1985.12.3)
終点の城山の回転場所で、形式写真を撮らせて頂きました。前ドアがついていないバスというのは、今ではなかなか見ることが出来なくなりました。
ここで折り返して沼宮内行きになります。
復路の車内
撮影:(1985.12.3)
折り返して沼宮内駅に向かうバスの車内です。今度はがらがらになってしまいました。
車掌さんは、かばんの中身を再確認。今日の売上はどうでしょう。
名札入れ
撮影:(1985.12.3)
前方の氏名札入れには、運転手とともに車掌の名札が。
その上には「日本国有鉄道」というプレートがあり、左側には方向幕の手巻きのハンドルなども見えます。いずれも今となっては懐かしいアイテムです。
沼宮内駅到着
撮影:沼宮内駅(1985.12.3)
終点沼宮内駅に到着。
数少ないお客様を降ろした後、若干の停車。里にも雪が降り、これからはハンドル操作にも気を使う季節です。