にっぽん奇行


もし「紀行文を書いてよ」と頼まれたら、どんな紀行文を書けばいいんだろうか。実際に頼まれたわけではないのだけれど、ちょっと心配になってしまったので試しに書いてみました。

(第3回)おいしい長崎ちゃんぽんを食べるために

日本国内なら結構フットワーク軽く飛んで行ってしまうので、旅行が好きであるかのように思われがちだが、そうではない。
にっぽん奇行 簡単に言ってしまうと、旅行のための移動時間は全くの無駄だと思っている。
例えば、長崎に住んでいる人が、本場の長崎ちゃんぽんを食べたいと思ったら、30分くらい時間をかければ、長崎ちゃんぽんを出す店に着くことができる。しかし、私が本場で長崎ちゃんぽんを食べたいと思ったら、羽田空港まで行き、保安検査を受け、客室乗務員の入れてくれたコーヒーなどを飲み、居眠りなどをしなければ、その思いは達成できない。着いた頃には昼。食べ終わってすぐに帰ったとしても、1日仕事なのだ。
これは不公平ではないか。どうして近くに住んでいる人は得をして、遠くに住んでいる人が損をしなければいけないんだろう。みんなが公平においしいものを食べられたほうがいいに決まっている。
列車に乗ったり、飛行機に乗ったり、車を運転したり、乗り換え時間に買い物したり、そういう移動そのものが旅の楽しみだという人もいるが、そうでない人間にとって、移動時間は生産性のない無意味な時間にすぎないのだ。
そんな無意味な移動時間を消費してまで長崎に行ってみて、おいしい長崎ちゃんぽんを食わせる店をちゃんとリサーチせず、行き当たりばったりで入った店の長崎ちゃんぽんは、特においしいわけではなかった。麺にコシはなく、スープにコクもなく、食べ終わった後の充足感もなかった。これなら、全国展開のチェーン店でも充分だし、スーパーで売ってる冷凍の長崎ちゃんぽんの方がおいしいかもしれない。
にっぽん奇行 ところで、長崎空港は離れ島の上にある。空港に降り立ち、レンタカーの受付カウンターに行った後、マイクロバスに乗せられてレンタカーの営業所に向かう際、箕島大橋という長い橋を渡って行くのが長崎空港に来たことを実感させる。長崎に来たからといって出島には行かないけど、出島のような長崎空港に来られただけで充分な満足感を得られる。
初めて長崎空港を利用した時は、レンタカーで1日かけて、島原半島を2〜3周回った。営業所でレンタカーを返したら、係員のお姉さんに「ずいぶん走りましたね!」と驚かれてしまった。
空港までの送迎は、私一人だったので、通常のマイクロバスやワゴン車ではなく、私がこれまで使っていたレンタカーを、そのお姉さんが運転しての送迎だった。箕島大橋を渡りながら、お姉さんが「長崎はいいところなので、また来てくださいね!」と話しかけてきてくれた。
もうその一言だけで、「もう何回でも長崎に来ちゃうぞ」と思ってしまうのだった。
(画像はほぼイメージで、本文とは関係ないものがほとんどです)

(つづく)


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80s岩手県のバス“その頃”