開運橋とんでも鑑定談

川中島バスなのか

今回のお題
岩22か2173
岩手県交通 いすゞBU15KP(1972年)
岩手県交通

撮影:花巻営業所(1985.8.22)

今回のお題は、花巻営業所で中距離バスに使用されていた川崎丸形“オバQ”だ。新花巻駅から鉛温泉などへのリレー特急のほか、盛岡行きの急行バスになって盛岡バスセンターまで顔を出すこともあった。
この車両は、登録番号が岩22か2173で、1985年に登録されている。既に後継モデルの「73SC」と呼ばれるタイプが譲受されている時期に、どこから、そしてなぜオバQを譲受したのだろう。

県交通で多く見られた元国際興業のオバQ
岩手県交通 いすゞBU20KP(1972年)
岩手県交通

撮影:盛岡駅(1986.2.2)

岩手県交通のオバQは、過去にはかなりの種類がいたらしいが、“その頃”には数を減らし、1982年に国際興業から譲受した5両が中心に活躍していた。
今回のお題の車両とは、ドアガラスが分割窓になっている点や型式(長さ)が異なる。
写真の岩22か1741は黒石野の配置車両で、小岩井農場で開催されている岩手雪まつりへの臨時バスに駆り出され、珍しく盛岡駅で見かけた時のもの。

薄緑色が見えた

BU15KP ある日、花巻営業所を訪ねた折、お題のオバQが待機していたので、近づいてつぶさに観察してみることにした。島原鉄道なのかの所で書いたように、県交通カラーの下から元カラーが何か見えないだろうかという期待を込めて。
すると、薄緑色が見えたのである。

BU15KP 薄緑色のオバQと言えば思い浮かぶのが、長野県の川中島バスだ。川中島バスでは1970年代の終わりごろ、貸切バスを薄緑色1色に塗り替えている。
しかし、川中島バスは1984年に会社更生法による再建が始まったばかり。岩手県交通も大変だが、川中島バスも中古車を放出する余裕はあるのだろうか。ただ、再建のために貸切バスには相当数の新車が入ったとも聞く。その代わりに古い車両を廃車にし始めたとしても、不思議ではない。

BU15KP 川中島バスの塗装は、旧カラーも緑色を使っていた。乗合に格下げされていた車両には、旧カラーのままの車両もあったようだ。
(その後、川中島バスのオバQは日野と三菱のみで、いすゞは存在せず、この仮説は成り立たないことが判明している)

花巻電鉄カラーらしい

BU15KP 判明のきっかけをつかむ動機にワンパターンを感じてしまう方には申し訳ないのだが、それからしばらくした頃、岩手県のバスの生い立ちなどを知ろうと、私は図書館で過去の岩手日報を地味にめくる作業をしていた。
多分、1975年頃の紙面だと記憶しているが、濃い目のピンストライプカラーをまとった観光バスが写っているのを発見した。岩手中央バスの73SCタイプの車両だが、私が知っている国際興業貸切カラーよりも地色が濃く、かつ塗り分けもちょっと違う。
これは、緑色の花巻電鉄カラーではないか。

岩2く5060
岩手県交通

撮影:板橋不二男様(花巻営業所 1980頃)

花巻電鉄カラーとは

花巻電鉄は、緑色のピンストライプカラーだった。
花巻電鉄は1971年に岩手中央バスと合併している。その時点で、岩手中央バスの方は貸切バス事業を分社した後だったので、貸切バス事業を持っていなかった。従って、花巻電鉄が持っていた花巻地区の貸切事業が新たに加わったことになる。車両も、花巻電鉄から引き継いだ車両だけだった。
そこに、1972年にはオバQ、1974年には73SCの新車を入れている。貸切カラーのなかった岩手中央バスが、花巻電鉄カラーを貸切カラーとして引き継いだと考えれば辻褄が合うのだ。

岩22か514
岩手県交通

撮影:板橋不二男様(盛岡駅 1982頃)

国際興業貸切カラーとはどう区別していたのか

しかし、岩手中央バスには、国際興業貸切カラーという選択もあったはずだ。実際に、このカラーになっていた車両を私も見ている。それが、この写真の車両。早坂高原線「竜泉号」などに使用される1974年製の73SCである。
恐らく、岩手中央バスでは、中長距離路線バスは国際興業カラーを採用し、貸切バスには花巻電鉄カラーを採用したのだろう。

分かりにくいので図にしてみた
岩手中央バスのカラー
岩手県交通

撮影:板橋不二男様(花巻営業所 1980頃)

早めに県交通カラーに塗り替えられたらしい

こちらは、岩手中央バスから引き継いだ県交通の貸切車の並び。岩手県交通成立後、花巻電鉄カラーは県交通カラーに塗り替えられた。
左の2台は1974年式で、新車に合わせていすゞのマークまで取り替えられ、美しく再整備された。
オバQのほうは、そこまで手は入れられていないが、それでも県交通カラーで貸切に使われている。このオバQが岩22か222で、実はお題の車両そのものであったりする。

再登録の謎は残るのだが
一関に置いてあった同形車

そう言えば一関営業所の隅に、オバQの廃車体があった。私も見てはいたのだが、写真は撮らなかった。
この頂いた写真を見てみると、前面のいすゞエンブレムが外れた跡に、緑色が見えている。確かに、花巻電鉄カラーっぽい緑色だ。
これは岩手中央バスが購入した岩22か221らしい。同形車がもう1両いたとのことなので、今回のお題の車両は岩22か222ということになる。
それではなぜ岩22か222を1985年に岩22か2173に再登録したのかという点が、また新たな疑問点として残ってしまった。

岩22か221
BU15KP

撮影:岩手県交通ファン様(一関営業所 2003.10.25)

とんでも鑑定談
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80s岩手県のバス“その頃”